固定資産税が高すぎるとのクライアントの訴えをいただき詳細に調査、固定資産税の課税明細書をみると「冷凍倉庫」ではなく「倉庫」として評価されていた・・・
これは明らかに固定資産税の評価ミス。
市側もミスを認め過去20年分の固定資産税の還付に成功した・・・といお話。
状況 クライアント:倉庫業を営む企業 社長F氏 固定資産税が高くて何とかならないかという相談を受ける。 倉庫は、設定温度が-50℃のものもあれば-2℃のものもあり、それは外から見るだけでは区別がつかない。 クライアントの倉庫は-30℃〜-40℃くらいとのことだが、固定資産税の課税明細書をみると「冷凍倉庫」ではなく「倉庫」として評価されていた!
状況
クライアント:倉庫業を営む企業 社長F氏
固定資産税が高くて何とかならないかという相談を受ける。
倉庫は、設定温度が-50℃のものもあれば-2℃のものもあり、それは外から見るだけでは区別がつかない。
クライアントの倉庫は-30℃〜-40℃くらいとのことだが、固定資産税の課税明細書をみると「冷凍倉庫」ではなく「倉庫」として評価されていた!
木下
社長!
固定資産税の評価間違っているっぽいですよ!
F社長
ほんまに!
でも・・・なんぼなんでも市が評価を間違えへんやろ・・・
いやいや、市の方だからミスをするんです。
この倉庫の固定資産評価をいつ受けたか社長は御存知ですか?
いや・・・知らなんなあ・・・
でしょ?市役所の現況調査って形式的で簡単なものなんですよ。
そして普通の倉庫だと判断して固定資産税の評価を行った。
まあ、そうやろな・・・でも倉庫で正しいやんか。
何が評価ミスなんや?
家屋の固定資産税評価額は用途によって「経年減点補正」という考え方で、時間が経過すれば課税額が安くなるようになっているんです。
古くなると評価が下がるので税金も下がる・・・ということです。
社長のところの倉庫は倉庫でも「冷凍倉庫」ですよね。
冷凍倉庫は一般倉庫に比べて損耗が激しいために、減ずる点数が高く設定されているんです。
たとえば、5年経過段階で冷凍倉庫の方が、同じような施設の一般倉庫よりは課税額は低くなります。
一般の倉庫と冷蔵倉庫では、評価の下がるスピードがこんなに違います!!
ええー、そしたらウチは固定資産税、取られ過ぎてたってことかいな!
そうなんですよ。しかも、そもそも倉庫業法には、冷蔵倉庫はありますが冷凍倉庫というものがないんです。
つまり、何をもって固定資産税評価上の冷凍倉庫にあたるのかは曖昧なんです。
固定資産税評価ではよくあることなのですが、結局は各自治体の判断に委ねられているということなんです。
そしたら、もうちょっと調べて市役所に文句言ったろか!
その後
本来還付可能期間は5年間だが、市側がミスを認め国家賠償法の適用期間である20年分の固定資産税の還付を受けることができました。
今回のポイント
税理士法人セルボ・クレール