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  1. 少人数私募債を発行して節税するなら今ですよ!?

少人数私募債を発行して節税するなら今ですよ!?

少人数私募債とは特定少数(50人未満)の投資家を対象に発行される社債をいうのですが、この社債の利子は所得税法上20.315%(復興特別所得税を含む。)の源泉分離課税となっているため、高額納税者の節税対策にはもってこいです。


少人数私募債の概要
社債は法人であればどのような法人格(株式会社、合同会社etc.)の会社でも発行することができる資金調達手段の一つです。
社債のうち引き受けてもらう投資家を50人未満、社債の募集金額を1億円未満としたものを特に「少人数私募債」と呼んでいます。

公募債と少人数私募債
  公募債 少人数私募債
投資家の数 多数の者50人未満 
発行する金額  制限なし※1億円未満 
 届出等の必要性 有価証券届出書の提出 ※不要
 開示の必要性 有価証券報告書の提出 不要
 その他 格付取得なし 
 ※発行総額が1億円を超える場合には、書面による所定の事項を告知する必要があります。



少人数私募債であれば煩雑な事務手続等もなく契約書を作成するだけで起債することができます。
また、少人数私募債の利子の設定は非常に柔軟(乱暴にいえばお金でなくても構いませんし、何%でもOK)に行うことができます。(しかし、くれぐれもやり過ぎは禁物ですよ。)

社債の種別には大きく分けて「利付債」と「割引債」というものがありますが、少人数私募債の場合には定期的に利子をもらうことになる利付債にしておくのが一般的です。(詳細は割愛しますが、所得税の課税関係が異なるためです。)


社債利息に係る課税関係
(社債の発行法人)
  • 発行法人が負担する社債利子は会社の経費になります。
  • 発行法人は社債利子を投資家に支払う際、20.315%(復興特別所得税含む)の源泉徴収を行う必要があります。
(社債利子を受ける個人)
  • 社債利息に係る所得税等の課税は発行法人で源泉徴収された20.315%で終了します。(社債利子は他の所得と通算して累進税率を適用するのではなく、投資家への利子の支払いの際、社債の発行会社が利子から所得税等を源泉徴収するだけで課税関係が終了する「源泉分離課税」となっています。)
(社債利子を受ける法人)
  • 法人の他の所得と通算され、課税所得が発生している場合には法人税や地方税が課税されます。

少人数私募債(利付債)の活用法
儲かっている会社の場合、法人税の節税のため社長の役員給与を所得税の累進税率の上限一杯まであげていることが多いと思います。
このような場合、役員給与を増やせば増やす程、法人税は節税できるのですが所得税の負担の方が大きくなってしまうため、結果として節税とはなりません。
そこで役員給与を増やすのではなく少人数私募債を発行することで、法人税を節税しつつ所得税の負担も低く抑えることができるというわけです。
会社に役員借入が相当程度ある場合には、役員給与を増額する前に少人数私募債の発行を検討すべきです。

所得税の速算表
 課税される所得金額 税率 控除額
 195万円以下5%  0円
 195万円を超え330万円以下10% 97,500円 
 330万円を超え695万円以下20%  427,500円
 695万円を超え900万円以下23% 626,000円 
 900万円を超え1,800万円以下33% 1,536,000円 
 1800万円超40% 2,796,000円 
※所得税の他に復興特別所得税(所得税の2.1%)と住民税(10%)が課税されます。


平成25年税制改正について
平成25年税制改正により同族会社が発行した社債の利子で同族会社の役員等が支払を受けものは「源泉分離課税」ではなく、他の所得と通算し累進税率を適用する「総合課税」の対象とすることになりました。
この改正は平成28年1月1日以後に支払を受ける利子について適用されます。

ただし、平成271231日までに発行された社債に係る社債利子に限り、源泉徴収で課税関係が終了する「源泉分離課税」から確定申告が必要とされる「申告分離課税」に課税方法が変更されるものの、20.315%の所得税等の課税のままでよいことになっています。け込みで少人数私募債を発行しようとする会社がたくさん出てくるでしょうね。)


※平成26年税制改正大綱によると上記の赤字部分の社債利子についても「総合課税の対象にする」というような改正が予定されています。恐らく、駆け込みでの社債発行に歯止めをかけるための改正なんでしょうね。非常に残念です。。。



【調査官の目線】
  • 少人数私募債の利率の上限は某書籍では10%までいけるとありましたが、個々の会社の状況に応じて判断する必要がありますね。
  • 税務調査で利率が高すぎると指摘されてしまうと、役員給与認定される恐れがありますし要注意です。
  • 税制改正があるからといって社債の償還期間を不相当に長くしてしまうと、税務調査で変に勘ぐられる恐れもありますし注意が必要です。かといって償還期間が長いだけでは否認できないでしょうけど。


【コンサルタントの目線】
  • そこそこ高い利率を設定した少人数私募債を発行する場合には、ビジネスニーズをしっかりさせておきましょう。
  • 例えば新事業への投資や設備投資の資金ニーズなどの理由付けがあれば、利率が多少高くとも否認しずらくなるでしょうね。
  • よく会社の銀行等からの「調達金利+α」が適正な利率だといわれますが、会社の規模や状況によって一概には言えません。償還期間が長いのであれば、社債の場合償還期間満了後の一括返済なのでリスクは自ずと高くなりますしね。このあたりも勘案して適切な利率を検討しましょう。



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